1977
Foreigner : Foreigner
|
Guitars, keyboards, horns, vocals
Produced by John Sinclair and Gary Lyons in collaboration with Mick Jones and Ian McDonald
大好き。
とにかく格好良く、キャッチーな曲の連続。 1曲目のイントロから最後まで飽きること無い名作だと思う。
マクドナルドの貢献度の高さは伺えるが、そのマクドナルドだけが売り文句になっていないのがこの作品(というか当時のフォリナー)の凄さだと思う。
マクドナルドは、” Starrider ”
のイントロでフルート・ソロを演奏したり、作曲にも参加している
” Long, Long Way From Home ”
では長めのソロとその後リフに絡むサックスを演奏しているが、良い意味でそれらが目立つことなく、曲にとけ込んでいる。
(追加:2001年6月25日)
尚、2002年に RHINO から突如再発された本作品には、4曲のデモ・トラックが収録されている。
4曲の内、ボツになった ” Take
Me To Your Leader ” を除きそのまま 1st
に収録されている。
デモ・テイクのほうが、過剰なコーラスやSE、中途半端なギター・ソロ等のアイディア先行の贅肉だらけなのが興味深い。 この段階でマクドナルドがどの程度関与していたのか、明確なクレジットが欲しかった。
そのままでも怒濤の名盤である本作品に、4曲のデモ・テイクを収録した今回の
RHINO の仕事は、とても素晴らしいと思う。
(追加:2002年4月25日)
1978
Live At The Rainbow '78 : Foreigner
|
Mick Jones Lead Guitar, Keys,
Backing Vocals
Lou Gramm Lead Vocals, Percussion
Ian McDonald Guitars, Keyboards, Sax, Flute, Backing
Vocals
Al Greenwood Keyboards, Synthesizer
Ed
Gagliardi Bass, Backing Vocals
Dennis Elliott
Drums, Backing Vocals
フォリナーが 『 Double Vision 』 発表前にイギリスで行ったライヴを収録した映像作品。
先にリリースされた 『 Live... Atlanta '79 』
と異なり、映像と音源が丁寧にリミックス、リマスターされており、名曲の数々を心ゆくまで堪能することができる。
名盤 『 Foreigner 』
から全曲収録されているのも嬉しいが、『 Double Vision 』 から ” Hot Blooded ” と ” Double Vision ”
が収録されていることで、このセカンド・アルバムがよりシンプルな曲構成にすることでアメリカ市場での更なる成功を得ようとした意図もよく判る。
そして、動くイアン・マクドナルドである。
” Long Long Way From Home ” でのサックス・ソロや、” Starrider
”
でのフルート・ソロでアップになる場面が最高で、テレキャスターを演奏している音が余り聴こえないことなど、どうでも良くなってくる。 2019年の今、本作品の需要がどれだけあるか分からないが、リリースを英断した関係者には心から感謝したい。
(追加:2019年3月10日)
Double Vision : Foreigner
|
Guitars, keyboards, reeds, vocals
Produced by Keith Olsen, Mick Jones and Ian McDonald
MTVバンドとしての 『 4 』
には及ばないものの、ファースト以上のセールスをあげたセカンド・アルバム。 シングル曲のキャッチーなところはファースト以上だと思うが、個人的には捨て曲の一切ないファーストの方が好き。 個人差が大きく出るところだとは思うが。
マクドナルドは、”
Love Has Taken Its Too
” と ” I Have Waited So Long ”
でサックスを演奏しているが、どちらも甘ったるいだけで格好良くない。 特に
” I Have Waited So Long ”
はご丁寧にも2回もつまらないソロをとるため嫌になってくる。
マクドナルド作曲の ” Tramontane ” はインスト。 気持ちはわかるが、怒濤のロック・チューンできめてもらったほうが、ファンとしては割り切ることができる。
(追加:2001年6月25日)
The Original Movie Soundtrack FM
|
スティーリー・ダンのオリジナル曲が収録されていることで有名なサントラ。
FM放送局をテーマに映画が制作されるということ自体が、今の感覚では全く理解されないかもしれない。
収録されている楽曲は、ロックと言うよりは今や死語となっている洋楽で、J-WAVE 登場前のエアチェック世代臭が漂うコンピレーションとなっている。
フォリナーのファースト・アルバムがリリースされたのは1977年で、本作リリースの前年である。
収録されている他のミュージシャンのキャリアを踏まえると、フォリナーは正に新人。 本サントラへの収録は、破格の扱いだったのかもしれない。
(追加:2018年5月10日)
1979
Head Games : Foreigner
|
Guitars, keyboards, vocals
Produced by Roy Thomas Baker, Mick Jones and Ian McDonald
フォリナーの3作目。 本作品をもってマクドナルドはフォリナーを脱退する。 その後の『
4 』 や 『 Agent Provocateur 』
の大ヒットを踏まえると残念なところもあるが、確かに潮時であったのかもしれない。 本作においてマクドナルドは、サックスすら演奏していない。
作品としては確かに息詰まったところもあるが、怒濤の名曲であるタイトル曲もあり、個人的にはファーストの次に好きな作品。
(追加:2001年6月25日)
2002年に RHINO から再発された本作品には、マクドナルドが作曲(共作)、単独プロデュースのボーナス・トラックが1曲収録されている。
甘ったるいだけのバラードと言ってしまえばそれだけなのかもしれないが、マクドナルドらしい憂いあるメロディも含まれている。
マクドナルドが完全に主導権を握っている本作品は、フォリナーのどのアルバムに収録されていたとしても、完全に浮いてしまっていたと思う。 フォリナーにおいてマクドナルドはアクセントであり、主導をとってしまってはいけなかたことが期せずしてわかってしまった問題作なのかもしれない。
(追加:2003年1月10日)
Live... Atlanta '79 : Foreigner
|
リリースは2019年
Lou Gramm - Vocals
Mick Jones - Guitar, Vocals
Dennis Elliot - Drums
Rick Wills - Bass
Ian McDonald - Keyboards,
Sax, Flute
Al Greenwood - Keyboards
King Biscuit Flower Hour で放送された音源を CD化した作品。
Professionally re-mastered とクレジットされてはいるが、そもそもこのシリーズは、手持ち音源を CD
にそのまま焼く行為のことをリマスターと勘違いした人達によって制作されているので、大きな期待をしてはいけない。
ただフォリナーのファンにとっては最高な内容で、私も購入後2枚のCDを連続して3回聴いてしまった。
雑な音処理や愛のないジャケトット等、制作者側に対する文句はあるが、フォリナーの地力の凄さは見事にパッケージングされている。
フォリナーに対して産業ロック等揶揄する言葉は絶えないが、観客の煽り方やソロ廻し等、ライヴ・バンドとしてのフォリナーの良さが再認識できる作品となっている。
そしてイアン・マクドナルドの在籍時のベスト選曲となっている結果、その活躍度が高いのも嬉しい。 マクドナルドが共作者としてクレジットされている ”
Tramontane ” をオープニングに、続けてサックス・ソロが爆発する ” Long, Long, Way From Home ”
という流れにまずやられる。 そして ” Starrider ” なのだが、なんと4分にも及ぶマクドナルドのフルート・ソロがフィーチャーされている。
スピーカーの前で5時間鎮座してしまったのも、お判り戴けると思う。
(追加:2019年2月10日)
1985
Original Sound Track Of The Warner Bros. Motion Picture Vision Quest
|
ゲフィン・レコードによるサウンドトラック。 映画は未見だが、ジャケットから想像できるストーリーが7割程度当たっている気がする。
この時期のサントラブームをゲフィンが見逃すわけがなく、王道の作品がつくり上げられている。 勿論この「王道」という表現は、捻りがない、という意味で、MTV時代がそのままパッケージされている。
そんな中で、『 4 』 からではなく、マクドナルド在籍時代のフォリナーの楽曲が異彩を放っている。 裏ジャケットに 「 Produced By Keith Olsen, Mick Jones, Ian McDonald 」 と、マクドナルドの名前がしっかりとクレジットされているのも嬉しい。
(追加:2018年5月10日)
1993
Best Of Live : Foreigner
guitars, keyboards
メンバーのゴタゴタ、アルバムの売り上げ減少、そんな時期に発売された本ライブ・アルバムは、当然のように注目を浴びることはなかった。 しかしながら初期からMTVバンド時代と全盛期の楽曲を集めているだけに、作品としては充分に楽しむことができる。
なによりもマクドナルドのライヴ・テイクが収録されていることが貴重だ。 確かにサックスやフルートは演奏していない、ギターやキーボードもバッキングが中心でどの音がマクドナルドだか判別もあまりつかない。 それでもクリムゾンの初期のライヴ音源、ハケットとの東京公演、ウェットンとのクソ音源、とマクドナルドのライヴ音源は少ないだけにやはり嬉しい。
(追加:2001年6月25日)
2003
Foreigner : The Foreigner Story
|
これは貴重な映像作品だと思う。
ミック・ジョーンズを中心に、マクドナルドを含めたメンバーのインタビューを絡めながらバンドのヒストリーをたどる作品のため、完奏される曲がないのが欠点だが、髪の毛が薄くなる前の動くマクドナルドを確認できるのが嬉しい。
ポイントとしては以下の点だと思う。
・
マクドナルドのインタビュー時差し込まれる、ライヴで楽器チェンジの為にサックスを放り投げる姿。
・ ” Starrider ” のイントロのフルート・ソロが完全収録。
・ ” Long, Long Way From Home ” のスタジオ・ライヴでのサックス・ソロ。
・ ” Feels Like The First Time ” での乳首を露わにしながらの、ギター演奏。
約60分の作品で4,200円という価格は、ほぼ同時期にリリースされたツェッペリンのDVDに比べて割高感があるが、上記場面の確認だけでも、充分元が取れると思う。
(追加:2003年7月10日)
2018
Double Vision Then And Now Live Reloaded : Foreigner
CD
|
Foreigner Then :
Mick Jones lead guitar, keys,
backing vocals
Lou Gramm lead vocals, percussion
Rick Wills bass, backing vocals
Al Greenwood
keyboards, backing vocals
Ian McDonald guitar,
keyboards, sax, backing vocals
Dennis Elliot drums,
percussion
Foreigner Now :
Mick Jones lead
guitar, keys, backing vocals
Kelly Hansen lead
vocals, percussion
Tom Gimbel guitar, sax, flute,
backing vocals
Jeff Pilson bass, backing vocals
Michael Bluestein keyboards, backing vocals
Bruce
Watson lead guitar, guitar, backing vocals
Chris
Frazier drums, percussion
Recorded live at Soaring Eagle Casino & Resort, Mt. Pleasant, Michigan
フォリナーの新旧メンバーによる、主に初期の楽曲で構成されたライヴを収録した作品。
同窓会イベントとはいえ、イアン・マクドナルドが参加しているフォリナーを観られるということだけで、充分な価値がある。
ただ、今のマクドナルドに大観衆を魅了するカリスマ性は、残念ながら無い。
こういった類のイベントでありがちなのは、はち切れんばかりのウエストを昔の衣装でごまかすパターンと、現在のスタンスを頑なに貫くことでノスタルジーを求める聴衆の期待を損ねるパターンに大別されるが、マクドナルドの場合はそのどちらでもなく、ただただ市井の人がステージで演奏しているように見える。
このマクドナルドの自然体は、同窓会イベントにおける第3の参加方法なのかもしれない。
” Waiting For A Girl Like
You ” や ” Urgent ”
といった楽曲で無理やり参加させられて後ろでタンバリンかなんかを叩くマクドナルドを見ずに済んだのは幸いだが、どうせだったら 『 Head
Games 』 までの楽曲には全て参加して欲しかった。 それが無理だったのなら、せめて ” Starrider ”
のイントロのフルートだけは、マクドナルドに演奏してもらいたかった。
(追加:2020年5月25日)