1976
Phil Manzanera - Guitar
Eno - Vocals / Synthesizer / Guitar / Tapes
Bill MacCormick - Bass / Vocals
Francis Monkman - Fender Rhodes / Clavinet
Simon Phillips - Drums Rhythm Box
Lloyd Watson - Slide Guitar / Vocals
801 によるライヴ・アルバム。
私自身は経験ないのだが、人生において何をやっても上手くいく時がある、という話を聞くことがあるが、マンザネラにとってこの時期がまさにその通りなんだったと思う。
自身のソロや Quiet Sun
からの楽曲に加えイーノのソロからの楽曲と、これ以上は望めない楽曲を、これ以上は望めない編成で演奏しているマンザネラの恍惚感は如何程のものであったのだろうか。
そんな恍惚感に満ち溢れたマンザネラが眼中に無いかの如く、イーノはその存在感を全面に出している。
初期ロキシー・ミュージックの映像を観ると、イーノがフェリー以上に目立っていることに気づくが、801
のライヴでのイーノはヴィジュアル的にどうだったのであろうか。
フェリーとマンザネラの決定的な違いは、イーノを許容するかどうかという資質なのだということをわからせてくれる作品である。
(追加 : 2015年7月25日)
リリースは1997年
Equipment :
Rother : Keyboards, Drum-Machine
Moebius : Synthesizer, Mini-Harp
Roedelius : Keyboards
Eno :
Synthesizer, E-Bass, Voice, Lyrics
Previously unreleased works from the first meeting of Harmonia and Brian Eno in 1976.
Cluster & Eno や Eno Moebius Roedelius 名義の作品の前に、イーノがハルモニアと制作した作品。
後の(と言っても1年後の)クラスターとの作品に向けての習作、などという枠にはおさまらない、味わい深い作品である。
リリースを前提として制作に臨んだものと思われるが、リリースするためのフォーマットにまとめることよりも、制作する過程で作り込むこと自体に狙いが変化したことが、お蔵入りとなった理由ではないかと思われる。
イーノのアンビエント作品の特徴は、音空間におけるドローンと残響音だと思っているのだが、残響音については本作を含めたクラスター、ハルモニアとの一連の作品からの影響が大きく感じられる。
(追加 : 2017年4月10日)
リリースは2009年
Music written, performed & produced by Brian Eno,
Hans-Joachim Roedelius, Michael Rother, Dieter Moebius
Vocals & lyrics
on track 5 by Brian Eno
Previously unreleased works from the first meeting of Harmonia and Brian Eno in 1976.
1997年に発表されたハルモニア76の発掘音源集に3曲追加した上で、新装パッケージに包んだ作品。
オミットされていた3曲の傾向が特段異なっていることもないし、CDというメディアの収録時間にも充分収まるだけに、元々収録されていなかった理由が良くわからない。
ただ、1997年盤の安っぽい変形CDケースからの改善は物欲を刺激し、所有満足感もある。
(追加 : 2017年4月10日)
Side One Jan Steele
Side Two John Cage
Produced by Brian Eno
Side One にヤン・スティールによる楽曲を、Side Two にジョン・ケージによる楽曲を収録したがオブスキュア・レーベルからの作品。
ヤン・スティールの楽曲の最初の2曲は、様々な楽器がテンポを変えながら特定のフレーズを繰り返すことで、偶発性を含んだ重なり合いが提示される。 最後の1曲は同じ試みをピアノ2台で行っている。
ジョン・ケージの楽曲は、ライナーによると1940年代に書いたものを演奏している。 ピアノ・デュオ、独唱、ヴォーカル+パーカッション、ソロ・ピアノと、音数が少ない楽曲が並び、ジョン・ケージに対する造詣がある程度以上ないと多分理解できないのだと思う。
Produced by Brian Eno
今や映画音楽の大家にもなったマイケル・ナイマンの初リリース作品。
” 1-100 ” は生ピアノのみの、” Bell Set No.1 ” は金属系を中心にしたパーカッションによる楽曲。 打楽器であるピアノとパーカッションのメロディやリズムではなく、その音の減衰がフォーカスされた正にタイトル通りの「ディケイ」・ミュージックである。
薄いエコーの積み重ねやドローンを中心としたイーノのアンビエント・ミュージックとは対極的であり、もしかしたらオブスキュア・レーベルからリリースされた中で最も異質な作品かもしれない。
” 1-100 ( Faster Decay ) ” は CD化に際し追加された楽曲で、” 1-100 ” を多分倍速再生したもの。 音の衰弱自体は判りにくくなっている。
(追加 : 2021年11月25日)
Penguin Cafe Quartet ( the 4 musicians in green clothes )
Helen Leibmann - Cello
Gavyn Wright - Violin
Steve Nye - Electric Piano, Engineer
Simon Jeffs - Electric Guitar
ZORF
Simon Jeffs - Guitar, Bass, Ukelele, Quatro Spinet, Electric Piano, Mouth percussion,
vocals, Cell ( Sydney Motel ), Cheng, Ring Modulator
Helen Leibmann - Cello
Gavyn Wright - Violin, Viola
Neil Rennie - Ukelele ( on Giles Farnaby's Dream )
Emily Young - Vocals
Steve Nye - Mixing
Composed by Simon Jeffes
Produced by Simon Jeffes and Steve Nye
Brian Eno - Executive Production
後に日本でも大ヒットするペンギン・カフェ・オーケストラのファースト・アルバム。
イーノが設立し、環境音楽の先駆けと位置付けられることの多いオブスキュア・レーベルから発売されているものの、難解なところは全くなく、アコースティック系の楽器を中心とした聴きやすい楽曲が並んでいる。 再発されたCDのジャケットは、オブスキュア・レーベル共通なものではなくなっており、オブスキュア・レーベルでなければならない、という必然性がないところが、本作品のよい点だと思う。
また、「過度にプロデュースしない」に止まらず、「紹介するだけで全くプロデュースしない」という手法をイーノは選択することがあるが、本作品は正にそれに該当する。
この辺りの潔さというか、山師的な才能が、イーノの最大の特徴である。
(追加 : 2009年3月10日)
1977
Eno Mini Moog, Electric and Acoustic piano, Random notes, Bells
牧歌的とか叙情的とか、キャメルを語る時使われるこれらの表現は、キャメルの音を捉える表現として見事に的を得ていると思う。
これがキャメル自身が目指していたところなのかわからないし、欧米での評価が同じであるのかは怪しいが、違和感は全くない。
『 Rain Dances 』 を 『 雨のシルエット 』 と名付けるセンス、そして ”
Elke ” を ” 白鳥のファンタジー ”
と名付けるセンスは素晴らしいと思う。 そしてその ” 白鳥のファンタジー ” において、イーノはまさにファンタジーなシンセサイザーを演奏している。
このパターンの演奏はイーノの客演の中でも珍しい。
(追加 : 2015年7月25日)
All title Moebius Roedlius Eno
レデリウスとメビウスによるクラスターとイーノのコラボレーション。
同年に発表された 『 Before And After Science 』
にレデリウスとメビウスが参加しているにも拘わらず、エリック・タムによるイーノ本の傑作
『 ブライアン・イーノ 』
においては全く無視をされている作品。 日本で出版されているプログレ本のドイツのページにおいてはそれなりに重要に記載されているのと好対照である。 この辺りは、本作品に対してのイーノ側とクラスター側での位置づけが異なるのか、それとも日本と日本以外での位置づけの違いなのか、調べてみるとおもしろそうな気もする。
アンビエント・ミュージックの体をとっているものの、ドローンが少なく短いフレーズが積み重なっていることや、曲自体が短いこともあり、とても聴きやすい作品となっている。
抽象的な表現となり申し訳ないが、一音一音が乾ききったような音でベトベトとしたところが全くなく、個人的に大好きな作品である。
(追加 : 2003年1月10日)
レコードで言うところのA面とB面の印象が全く異なるデヴィッド・ボウイの傑作アルバム。
A面は前作まで追求していたファンク路線の成果がリズム隊とギターのカッティングに色濃く表れており、そんなファンク路線とストリングス・シンセサイザーとミニモーグの歪な融合が最大の魅力となっている。
一方ドラムレスで展開されるB面は、「ヨーロッパ」とか「ベルリン」とか、本作品が語らえるときに出てくる表現そのままの音である。
イーノの凄さは、そんな印象が異なるA、B両面に参加していることだけではなく、歪みきったシンセサイザーを中心にどちらにおいてもイーノならではという存在感を示していることである。
(追加 : 2015年7月10日)
フィル・マンザネラ のソロ・アルバム。
801のライヴとは異なり、イーノの参加はゲスト・ミュージシャン的なものだが、”
Island ” や ” Postcard Love ”
でのエディ・ジョブソンのピアノとの絡みや、” That Falling Feeling
” でのマンザネラのギターとの絡みはとても美しい。
(追加 : 2015年7月25日)
Produced by Brian Eno / Ultravox! / Steve Lillywhite
John Foxx Vocals
Steve Shears Guitar
Warren Cann Drums / Vocals
Billy Currie Violin / Keyboards
Chris Cross Bass / Vocals
「!」付きのウルトラボックスのファースト・アルバム。
ジョン・フォックス脱退前のウルトラボックスというと、コニー・プランクがプロデユースした 『 Systems Of Romance 』
の印象が強いが、ティーヴ・リリーホワイトとイーノがプロデュースした本作も個人的には名盤だと思っている。
計算された疑似パンクが半分、残り半分は方向性が定まっていないのと演奏能力不足によるものなのだろうが、歪な融合感が堪らない作品である。 例えば ”
Slipaway ”
なとは、シンフォニックなアレンジを施せばそのまんまプログレ名曲選に名を連ねるはずだが、逆にそうなっていないところが最大の魅力である。
バンドの方向性を定め、統一感を出そうとすることはプロデューサーがやるべき基本事項のはずだが、そんなことをせず、当時のウルトラボックスをありのままパッケージさせたところに、イーノの凄さがある。
『 Systems Of Romance 』
のような完成された名盤に行き着くことができたのは、ファーストである本作において、イーノが「放置」というプロデュース手法を採用したことが大きい。
(追加 : 2018年2月25日)
1978
本作品は、映画のサウンドトラックに利用されることを目的にプロモーション用に1976年にリリースした同名作品を、曲数を減らして一般流通リリースしたものである。
各楽曲が短いというのが唯一の共通点で、アイディアを取りまとめレベルからバンド形式のものまで楽曲はバラエティに富んでいる。 そのため本来なら散漫な内容になる可能性もあったのだが、Music For Films というタイトルが聴き手の集中力を喚起している。 この辺りの才覚はまさにイーノならではのものと言える。
また ” Slow Water ” にはフリップがクレジットされているのだが、音の感触から 『 Evening Star 』 制作時の楽曲ではないかと想像される。
(追加 : 2025年2月25日)
Side One John White
Side Two Gavin Bryars
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルの8作品で、Side One にジョン・ホワイト、Side Two にギャヴィン・ブライアーズによる楽曲が収録されている。
「マシン」というコンセプトでまとめられている作品なのだが、ここでの「マシン」は「機械仕掛けのように規則正しく」という意味で捉えれば良いのだと思う。 ボトルを吹いたりギターをタッピングすることは楽器本来のテクニックを必要とはしていないものの、それをやり続けなければいけないという行為は勢いだけこなすことはできないはずである。
音を出すこと自体はフリーに出来たとしても、それをフリーに続けることはできないという相矛盾する行為は演奏者にとっては困難であったと思われるが、その解説を読みながら聴いたとしてもその困難さは伝わってこない。 もしかしたら、そしてそれこそがイーノの狙いなのかもしれない。
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルの9作品で、トム・フィリップスによるオペラ Irma のグラフィックに基づき、ギャヴィン・ブライアーズがグラフィックに作曲、指揮をしている。
楽曲自体は非音楽的なものではなく、地味ではあるがしっかりと作り込まれていることが判る。 フィリップスによるグラフィックもライナーに記載してあるのだが、そのグラフィックに基づいてどのように作曲したのかよく判らない。 何かにインスパイアされて演奏するのではなく、インスパイアされて作曲するという試みということは理解できる。 だが 『 Machine Music 』 と同じく、アウトプット自体よりもアウトプットに至る過程にこだわった作品は、その過程の解説が無いと単調に聴こえてしまうことは否定できない。
(追加 : 2023年3月25日)
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルからの最後のリリースとなったハロルド・バッドの作品。
オブスキュアからは都合10作品がリリースされたのだが、個人的に最も多く聴いたのはイーノ自らの 『 Discreet Music 』、2番目に多く聴いたのがペンギン・カフェ・オーケストラの 『 Music From The Penguin Cafe 』 か本作品だと思う。 多分殆どの人もこんな順位なんだと思う。
オブスキュアの作品群は後のアンビエント作品とは異なり、偶発性、それも演奏だけではなく音の重なり、音の衰弱、作曲の偶発性を重視した楽曲が多い。 前述の3作品は偶発性に頼ったものではなく、寧ろ創り込みに重きが置かれており、結局そうした所が何回も聴くことに繋がっているのだと思う。
本作品の中では、後のイーノとの共作と同じくエコーが深くかかったピアノをバットが演奏している ” Bismillahi 'Rraahman' Rrahim ” と ” Juno ” がやはり素晴らしい。
(追加 : 2023年3月25日)
All titles composed & played by ENO MOEBIUS ROEDELIUS
Lyrics by Brian Eno
Holger Czukay Bass on Tzima N'arki
クラスターとイーノのコラボレーション第2弾。 ただし今回はクラスター名義ではなく、メンバー名となっている。
前作と同じくドローンがほとんど無く、ミニマル・フレーズの積み重ねで楽曲が構成されている。 ヴォーカルも入ってはいるが、メロを聴かせることよりも、ミニマル・フレーズを構成する一要素として機能している。
緊張感を強いられることも、我慢の限界に挑戦する必要もない、とても聴きやすい作品で、アンビエントものの入門編としては最適。 ただ、この作品をきっかけにクラスターとイーノに掘り下げていった人は、後悔する可能性が高いと思う。
コラボレーションがプラスの方向にだけ働いた希有な作品。
(追加 : 2007年1月10日)
All compositions by Brian Eno except 1/1 which was co-composed with
Robert Wyatt (who also played acoustic piano on this track ) and Rhett Davies.
Concept, Design and Production by Brian Eno.
フリップのフリッパートロニクスもの、サウンドスケイプもので一番回数多く聴いているのは、未だ
『 Let The Power Fall 』
である。 フリップがフリッパートロニクスに傾倒していたことは、多々のセッションや
『 God Save The Queen / Under Heavy Manners 』
がリリースされたことから認識していたが、フリッパートロニクスだけでアルバム1枚を作ったことに意味づけを一生懸命行おうとしたためだったと思う。
そして、同じ理由でイーノが「アンビエント」と冠をつけたアンビエントもので一番聴いているのが、本作品である。
もちろん、フリッパートロニクスものであれ、アンビエントものであれ、何度か聴いたところでその意味づけなどできるわけなどなく、むしろ意味づけしようとすることのほうが無意味に思える。
私は本作品を神経が高ぶって眠れない夜にかけている。学生時代から年に2,3回利用しているが、見事に機能してくれる。 それ故に、本作品が本当に空港のBGMでかけられたとか、その効果がどうであったかなど、どうでもいいことに思える。
(追加 : 2004年10月10日)
Produced By Brian Eno
イーノがプロデュースをし、コニー・プランクがエンジニアを務めた
Devo のファースト・アルバム。
Devo
サイドにしてみれば、本作品がイーノとプランクで語り続けられる事は不本意なのだと思うが、そういった記号や脱力感満点のジャケットを含めた全てが本作品の素晴らしさである。
後の作品に比べてテクノ系のシンセサイザーの比率は低く、薄っぺらなギターが曲の骨格を構築している。 ただこの薄っぺらなギターが醸し出す疾走感が本作品の最大の特徴である。 爽快さが感じられない異様な疾走感、これに一度はまると抜け出すのが困難である。
(追加 : 2010年5月25日)