2021
毎回1曲目に最高にテンションの高い曲をもってくるリキッド・テンション・エクスペリメントだが、今回の ” Hypersonic ” も凄い。 血管がブチ切れそうになるイントロ・パートで始まり、続いて血管がブチ切れそうになるメイン・リフとなり、続いて血管がブチ切れそうになるソロ・パートとなり、続いて、とテンションの高さが無限ループする。
そして恐ろしいことに、この ” Hypersonic ” に近いテンションの曲がアルバム全編続くのである。
その結果、本作品は正に聴くだけで痩せてしまう程の内容である。 世の中には見るだけ、飲むだけとかいった詐欺に近い広告があるが、本作品は違う。 本当に聴くだけで痩せてしまう内容である。
コロナ禍での閉塞感、という表現はおよそ使いたくはないが、コロナ禍でリリースされた本作品はその閉塞感を吹き飛ばす素晴らしい内容である。
(追加:2021年6月25日)
2023
Bass : Tony Levin
ピーター・ガブリエルが、2002年の 『 Up 』 以来21年ぶりにリリースしたソロ・アルバム。
控えめなようで過激なアレンジはガブリエルのヴォーカルを見事に引き立ており、個々の楽曲の完成度は非常に高い。 そして、満月毎に楽曲をリリース、Bright-Side と Dark-Side の2つのミックス、フィジカル化時には Blu-ray には更に In-Side ミックスを追加、とハッタリも効いている。
クレジットを確認すると、トニー・レヴィンは全楽曲に参加していることになる。 ガブリエルの全アルバムに参加しているものの、一作全曲に参加しているというパターンは珍しい。
全楽曲を3ミックスで聴くには3時間以上かかるため迂闊には取り組めない作品ではあるが、次回作は最低でも10年はかかるはずだからその間に聴き込めば良い、と思っていたら次回作 『 o/i 』 のリリースがアナウンスされた。 短期集中の聴き込みが必要である。
(追加 : 2026年1月25日)
2024
This album is about the bass, of course, but specifically, these treasured friends, my instruments.
と本作品のブックレット冒頭に記載されているのだが、正に言い得て妙である。
人脈、曲調、奏法とトニー・レヴィンの集大成のような作品で、楽曲の雰囲気は全く異なるにもかかわらず、全体の統一感がある。 レヴィンのソロ作品は総じてクオリティが高いが、その中でも本作品の完成度は高い。
そして何よりもレヴィンを凄いと思うのは、集大成のような本作品を創っておきながらも、新たに BEAT としての活動に参加していることである。 活動そのものがプログレッシヴと表現しても過言でないのがレヴィンである。
(追加 : 2026年1月26日)